FOBで良かった⁈イタリア、トラック強奪事件
投稿日:2019.10.02
前回インコタームズについてご説明した件を具体的な例でご紹介します。
とあるイタリア製品の納期が近づいていました。
そろそろイタリア側と出荷を確認しようと考えていたところ、先方からメールが。
「出荷した御社発注品を積載したトラックが、イタリア国内を輸送中、トラックごと強奪されました。すぐに製造し直します。」
このメールを読んだ瞬間、
「ん?英文読み間違えたかな?」
と再確認しましたが、やはりトラックごと強奪されたという内容なので、急いでINVOICEを確認。
インコタームズがFOBと記載されていたので少し安心しました。
FOBだと発注品が売主(輸出者)側の国の港の船に引き渡されるまでは売主の責任だからです。
ということで、売主であるイタリアのメーカー側の負担で製造し直しです。
こういったケースに備え、売主も製品に保険をかけます。
保険である程度お金は保証されますが、売主は買主への責任があるので、再生産し輸出しなくてはならないのです。
これがインコタームズ、EX WORKSの場合、製品が売主の工場を出て以降、買主側の責任なので再生産してもらえません。
買主も製品に保険をかけるので、金銭的には保証されますが、製品が手元に届かなくなります。
これがFOBで少し安心した理由です。
「少し」と書いた理由は、再生産のため納期が遅れ、商機を逃す可能性があるからです。
インコタームズと納期設定は大事ですね。
ブログを読んで下さる皆様に、少しでもグローバルビジネスの面白さをお伝えできればと考えております。